乳がん治療

乳がんとは

乳がんとはどんな病気か?

乳がんは女性に最も多い癌です。

乳がんは比較的がん細胞が小さい段階で乳腺組織からこぼれ落ち、血液やリンパの流れに乗って乳腺から離れた臓器に小さな転移巣を形作ると考えられています。この小さな転移巣が大きくなると転移として検査で発見されるようになります。たとえ手術で切除できたと思っていても、目に見えないがん細胞がこぼれ落ちていることもあり、再発する可能性があります。増殖が遅いがん細胞の場合は、10年後や20年後に再発する場合もあり、肺や肝臓・骨や脳に転移することが多いという特徴を持ちます。

乳がんは浸潤性と非浸潤性に分けられ、乳管内から外へ浸潤したものを「浸潤がん」、がん細胞が乳管内に留まっているものを「非浸潤がん」と言います。非浸潤がんの場合は、手術で切除すれば命にかかわることはほとんどないといわれています。
胸にしこりを感じる乳がんのほとんどが浸潤がんです。

乳がん治療の基本は「手術(外科療法)」で、ステージⅠ期~Ⅲ期の乳がんの場合は基本的には切除手術を行ないます。手術では、乳房にできた「がん」「がん組織を含めた周りの正常組織」を同時に切除します。また手術が出来ない場合の多くは薬物療法を行ないます。
手術前に腫瘍を小さくする術前化学療法や手術後に身体のどこかに潜んでいるがん細胞を根絶して再発を予防する術後化学療法として、化学療法を行なうこともあります。
乳がんの化学療法としては、ホルモン療法・抗がん剤療法・分子標的治療があります。
治療法はホルモン受容体とHER2受容体の有無によって選択されます。
どちらの受容体にも陰性の場合は、トリプルネガティブと言われており、乳がんに効果的なホルモン療法や分子標的治療が行なえないので治療方法が限定され、通常のがんよりも再発しやすく予後不良になりやすいといわれています。

転移のない非浸潤がんの場合は、手術だけでほぼ治癒することが多いのですが、リンパに浸潤している浸潤がんの場合は、たとえ手術できれいに切除できた場合でも、実際は目に見えない癌が残っており、再発をする可能性があります。

局所再発の場合はがんを手術で切除し、放射線治療や化学療法が行なわれます。
遠隔転移している乳がんの場合は、手術などではすべてを切除することは難しい状態である為、主に化学療法による全身治療でがんの進行を抑え、症状を和らげて、出来るだけがんと長く共存できることを目的に治療を行ないます。

つまり、乳がん治療においては、切除可能な乳がんの治療成績は悪くはないですが、局所再発や遠隔転移した乳がんの治療成績は決して満足のいくものではないのが現状です。